日英薬剤師日記

イギリスの国営医療(NHS)病院で働く、臨床薬剤師のあれこれ

2023年明けましておめでとうございます

 

遅ればせながら、明けましておめでとうございます。

いつも「日英薬剤師日記」にアクセス下さり、ありがとうございます。

 

日本では(地域によって異なるとのことですが)1月7日に松の飾りを片づけ、正月の終わりとし、英国では1月6日にクリスマスツリーを片づけ、前年からのクリスマス期間の終わりとしています。という訳で、私は毎年この日に、新年初のエントリを書くようにしています。

過去の新年初のエントリは、こちら(⬇︎)となっています。


さて、昨年の振り返りですが、私の 2022年と言えば「処方薬剤師免許取得」の一言に尽きました。

その大学院コースの勉強と実務実習に明け暮れ、それ以外で思い出せることが(ほぼ)ありません。幸い9月の最終試験に合格し、10月下旬に英国薬剤師名簿に「処方免許取得者」として無事登録されました。

免許取得中の模様を、このブログで実況中継でお伝えするつもりでいましたが、全く余裕がありませんでした。かなり時差のあるレポートを、月に1回程度書くのが精一杯でした。。。

んが!

そんな更新頻度にも関わらず、毎日毎日、必ず誰かのアクセスがありました。これには私自身、驚きました。最終的には昨年、世界 35 ヶ国 425 都市町村の方々がこのサイトを訪れて下さいました。

本当に有り難く、アクセスが確認されるたびに、このブログを訪れて下さった名も知らぬ方々に「ありがとうございます。あなたへ幸運を」と IT デバイス画面越しに心の中で繰り返し唱えていました。

人生の貴重な時間を使ってこのブログを読んで下さっている皆様へ、これからも、どこにも書かれていない日英薬剤師・薬局情報をお伝えしていく所存です。前述の通り、大分、タイムラグができてしまいましたが、「英国処方薬剤師免許取得への道」シリーズ(リンク⬇︎)も今年の春ぐらいまで続く予定です(他の話題で、脱線する可能性大ですが。あはははは。。。。)。



で、毎年恒例の、私の今年の目標公開です。

まずは;

1)休息 (Rest)

とにかく、休みたいです。いや、絶対に休みます!(笑)。

去年は大学院のコースの要求の高さに加え、特にその終盤の6ー9月は、勤務先の業務の都合で、通勤にも大幅に時間が取られ(4時間/日)、1日の平均睡眠時間が2−3時間ほどにまで削り取られました。睡眠時間が少ないと記憶が飛ぶんだな、という経験を何度もしました。7ー10日に一度やってくる24時間拘束の当直業務も、相変わらず続けています。積年の慢性的な疲労からか、最近は、休日に寝ても寝ても疲れが取れません。そして昨年末、インフルエンザにも罹りました(→ちなみに、英国では最近、看護師が断片的にストライキをしているため、医療サービスが通常に増して機能していない。そんな最中に羅患したので、私は今回、医療機関も薬局も一切利用せず、丸一週間、自宅で寝るだけ寝て、自力で治しました。クリスマス休暇が台無しになってしまったけど。。。)。

昨年12月19日、英国国営医療サービス (NHS) で看護師がストライキを決行した日の、私が勤務する病院の小児緊急医療室の一写真。サンタの帽子を被った骸骨さんも、大変お疲れのご様子でした(苦笑)。そして私はこの日、24時間連続の日夜間当直を担当し、病院内を走り廻った結果、どうやらインフルエンザに羅患したようです。。。(泣)

これほどまでに疲れているということは、人生の冬眠時間なのだと悟り、今年の特に前半は、できるだけ「省エネモード」で働くことに決めました。

そして今年こそは是非、3年以上帰国していない日本への里帰りをし、ゆっくりしたいとも思っています。

 

それから;

2)突破口(Breakthrough)

昨年8月に上司のドナさんが退職した(写真下⬇︎)後、彼女の仕事を引き継ぐ形で、感染症分野での主任(=プリンシパル)薬剤師の代理としても働いてきました。

ただ、長年目標にしていた「プリンシパル」、いざ任されてみると、実はそれほど面白いポジションではないなあ、と(苦笑)。「向き・不向き」「自分の能力」「組織上の制限」といった要素が複雑に絡み合った見方ですが。

英国の薬剤師は、ロイヤルバレエ団に類似した厳しい階級制となっています。その階級と呼称については、過去のこちらのエントリ(⬇︎)もどうぞ

そして振り返れば、私自身、新型コロナウイルスのパンデミックを境に、キャリアで方向性を見失っているというのが正直なところです。

今年はその問題点を洗いざらしにし、現状を打破し、これからの10年間で成し遂げたいことを現実的に見極めて、次のキャリアステップが踏めるような年にしていきたいです。

幸い昨年、処方薬剤師免許を取得できました。これを突破口として、今後は転職も視野に入れようと思っています。そしてその計画に、ワクワクしています。

過去5年半、私の直属の上司であったドナさんの退職日、薬局内のスタッフと撮った集合写真(→注:ごく一部の同僚たちです。総勢100名以上いる大部署なので)。ロンドンの病院薬局は人員の入れ替わりが激しい。ドナさんが去った後も、この写真の中の約4分の1の者が転職し、すでにこのチームを去っています

 

そして;

3)健康(Health)

ここ数年、全く同じ目標なのですが、今年も引き続き。

昨年の大学院のコース履修中は、眠気覚ましに濃いコーヒーを1日に何杯も飲み、自分に鞭を打つように勉強し働いていました。でも、卒業と同時に、身体がその習慣を拒絶し始めました。コーヒーを飲むと明らかに調子が悪くなるのです。今では「何であんな不味いもの、飲めていたんだろう。。。?」と不思議でなりません。おまけに最近では、長年大好きだった紅茶も欲しなくなりました。要するにカフェインを受けつけられなくなってしまったようで、日々ひたすらハーブティーを飲んでいます。そんなこともあり、最近、健康というものを根本から考えるようになりました。

また現在、私の元には「子宮頸がん検診」「乳がん検診」(写真下⬇︎)「歯科検診」「眼科検診」などなど、督促状が何通も来ています。処方免許取得のための自己学習時間に今年度の有給休暇をほぼ使い切ってしまったことと、当直当番のスケジュールの都合もあり、どれひとつとして行けていません。

英国国営医療サービス (NHS) が発行している子宮頸がんと乳がん検診の案内書。今年は絶対に受けます!

今年は、これらを一つ一つクリアしていきたいと考えています。そして、その各種検診のレポートも、英国の医療サービスの実体験として、このブログで書けたらと思っています。

 

それでは今年も「日英薬剤師日記」をよろしくお願い申し上げます。

 

昨年は本当に忙しく、人と会うような外食もほとんどしなかった。そんな年の瀬の先月、長年の友人が、ロンドン中心街の老舗ミシュランフレンチレストランに連れ出してくれた。今年はもっと人生を楽しみたい。

 

では、また。