日英薬剤師日記

イギリスの国営医療(NHS)病院で働く、臨床薬剤師のあれこれ

2022年明けましておめでとうございます

 

遅ればせながら、2022年明けましておめでとうございます。

いつも「日英薬剤師日記」にアクセス下さり、ありがとうございます。

ある日、突然始めたこのブログも、4回目のお正月を迎えることが出来ました。

英国では、新しい年の始まりより、年末のクリスマスの方を盛大にお祝いする伝統になっています。またクリスマス期間は翌年の1月6日をもって終了という風習となっているため、私は、毎年この日に「明けましておめでとうございます」をさせて頂いています。

 

当ブログですが、昨年は「もしかして、毎日チェックして下さっているのでは?」と思えるような方々の存在を感じ取れました。私は諸事情により、ブログ上に自分の連絡先を表示せず、コメント欄も設けていません。よほどのことがない限り、読んで下さっている方々と直接コミュニケーションを取れないようになっています。それにも関わらず、このサイトを定期的に訪れて下さっている方々には、感謝しかありません。

そのような読者さんが(なんとなく)推定でき、その方々が SNS をされている場合、私もその方々の発信を覗くようになりました。サイレントリーダーとして。

中には現状の生活や、ご自分の夢の実現に向けて逆境にある方々もいらっしゃるようですが、ファンの一人として、密かに応援しています。

お互いに頑張りましょう!

 

さて振り返れば、2021年は、公私共に、良い年とは言えませんでした。

まず、一昨年末に新型コロナウイルス (COVID-19) に感染し、お正月を挟み、全治約3週間の療養となりました。

その時の闘病記にご興味のある方は、こちら(⬇︎)からどうぞ。

職場の組織上でのゴタゴタが続き、長年一緒に働いてきた同僚たちが次々と辞めていきました。

その中でも、私と同格・同職種であった人(リンク下⬇︎)の後任者探しが最も難航し、その影響で、私は再三度あの「地獄の一般内科病棟」(リンク下⬇︎)で、丸一年間働くことにもなりました。

私と「職業的双子」であったパメラさんの退職後、後任者が着任するまで半年以上かかりました。ちなみに英国の雇用は原則、前任者が退職するまで求人広告を出さない。だから皆、まともな引き継ぎをせずに去っていきます。

「地獄の一般内科病棟」について、意味がご不明な方は、過去のこちらのエントリ(⬇︎)をどうぞ。

その他にも、色々と膠着状態が続き、どうにもこうにも打破できない事態がたくさん起こりました。

残念ながら、自分で一年前に掲げた目標(リンク下⬇︎)は、どれ一つとして、達成できなかった次第です(格好悪い。。。)。

 

そんな中で、恒例の「今年の目標」公開となりますが;

 

1)学ぶ (Learning)

散々な 2021 年の終わりの年の瀬、嬉しい知らせが届きました。

1年がかりで準備をし出願していた大学院からの、処方免許取得コースの入学許可通知でした。英国では、医師・歯科医師以外の医療従事者でも、この資格を取得することにより、薬の処方ができるようになります。

当初の計画であれば、去年の9月からこのコースに入学する予定でした。さまざまな事情で延期されていましたが、ついに「ゴーサイン」が出た次第です。

一旦決まれば、あれよあれよと急な展開になり、なんと来週(!)から9ヶ月間、ロンドン大学キングスカレッジ薬学部(写真下⬇︎)の学生となることになりました。働きながら週1日、大学院へ通います。

今年の「日英薬剤師日記」では、特に、私のこの「処方免許取得までの道」を実況中継レポートしていきたいと考えております。

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ロンドンの中心部ウォータールー地区にあるロンドン大学キングスカレッジ薬学部校舎

ロンドン市内には、現在に至るまで、たった2校の薬学校しかありません。その詳細は、以前のこちらのエントリ(⬇︎)をどうぞ。

 

2)原点回帰(Re-invention)

早いもので、今年の夏で、英国で薬剤師となり10年となります(→注:臨床薬剤師として働き始めたのは、8年前ですが)。

私のこれまでの道のりにご興味のある方は、以前のこちらのエントリ(⬇︎)をどうぞ。

駆け出しの新人の頃は、降りかかる火の粉を必死に振り払うように、分からないことを貪欲に学び、血の滲むような努力で習得した技術も、現職の業務では、ほぼ全てを片手で出来る状態。

正直、飢えてよだれを垂らした狼のように、同僚や先輩に追いつこうとギラギラしていた、あの頃の自分に戻りたいという気持ちがあります。

組織の都合とか、周りの人たちとのパワーバランスなどからの消去法的な選択を取っ払い、これから自分が本当に心からやりたい仕事を、自分の内なる声に耳を澄まして見極めたい。

薬剤師としてのこれまでを一旦初期化し、原点回帰し、そして、自身をバージョンアップし再成する一年にしたいです。

前述の通り、折しもそんな願いが叶うような「学生に戻る」というチャンスが、今年到来しました。

いくつになっても学生に戻れる英国の医療教育の土壌には、本当に感謝です。

 

3)健康(Health)

昨年も挙げていた目標だったのですが、特に注意すべく、今年も引き続き。

実は去年、初めて「老眼鏡」を作りました。それにも関わらず、視力は刻々と変化しているようで、すでに度が合わなくなってきており、驚きを隠せません。

記憶力も年々、確実に落ちてきていることを自覚しています。薬科大学を卒業したてのピチピチフレッシュな新人薬剤師たちと日々張り合うべく(苦笑)、最近こちら(写真下⬇︎)を服用しはじめました。

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人生 100 年時代と言われ、それまでとは全く異なった第2の人生を選ぶことがもてはやされる風潮になってきています。それを実現すべく、私と同世代の方の中にも「アーリー・リタイアメント」をする人もいるようですね。でも私は、生涯現役の薬剤師でありたい。元サッカー選手の中田英寿さんより、キング・カズさんのファンだし。女優の故森光子さんが80代後半まで舞台ででんぐり返しをしていたように、私もその年齢まで、当直業務をするのが本命(笑)。

そのための身体は常に資本なので、大切にしていきたいです。

 

それでは「日英薬剤師日記」を、今年もどうぞよろしくお願い申し上げます。