9月下旬から2週間、休暇を取っていました。
元々、日本での休暇か、家族と約束していたバリ島へ行くために、6ヶ月以上前から確保していた有給休暇だったのですが、
依然、新型コロナウイルスのパンデミックの影響で、実現できず。
ところで最近、私の職場では、有給休暇を取っている人が多い。
私の直属の上司「ドナさん」も、先月2週間ほど有給休暇を取っていた。そして、入れ替わりで私が2週間の有給休暇。私が戻ったら、上司は再度、休暇に入る。よって、なんと互いに6週間、全く顔を合わせない。
そんな中、同格の同僚「パメラさん」もお子さんの病気により欠勤せざるを得ず、感染症専門薬剤師の仕事は一人で通常3人分の仕事を請け負ったり、
私の上司「ドナさん」と相棒の「パメラさん」にご興味のある方は、こちら(⬇︎)からどうぞ
薬局スタッフ全体の人手不足から、本来の自分の病棟の他にCCU (心臓疾患治療室) の病棟も代理担当したり、
来るべき院内抗生物質薬事委員会の議事録の作成とか、
自身が現在、自主的に行なっている、テイコプラニンの院内適正使用調査のデータ収集とか、
新しく入局してきた新卒薬剤師たちへのオリエンテーションの一環として、四六時中「密着取材」されながら病棟で働きつつ、彼らに訓練の機会を提供したり、
その最中に、3週間に2つの日夜連続当直もこなし、
気づいたら、一日平均16-18時間は、仕事をしていたな(泣)
そして、慢性の疲労と緊張からくる肩こりと頭痛で、首が動かせない(→注:首を振ると激痛が走る)という状態にまでなった。ヒエーっ。。。。
もう次の休暇先は、ここ(写真下⬇︎)しかないでしょ、と判断。
英国南西部サマセット州の街「バース (Bath) 」
ここ、古代ローマ人が掘り当てた、英国で唯一の「温泉♨️」がある(写真下⬇︎)。バース(バス)= Bath で「風呂」の語源となった街。
バリのリゾートや、日本のような温泉三昧には叶わないとしても、この英国唯一の温泉に浸かりながら、心身をリセットしつつ、気の向くままにその周辺の薬局巡りをし、至福の時を過ごそうと心に決めた。よく考えてみたら、ほぼ丸1年間、休暇という休暇を取っていなかったし。
先々月に「週末旅行」(⬇︎)をしましたが、前回、長期の休暇を取ったのは、なんと、去年秋の日本での滞在(⬇︎)でした
という訳で、今回のエントリは、このバースの街での休暇中に訪れた薬局と医療関連各所+α のレポート。
まず、バース・スパ駅に降り立って目に入ったのが、これ(写真下⬇︎)。あらまあ、お洒落な電話ボックス👀👀👀。
で、早速、街の中心地へと歩き始めると、
大手チェーン薬局ブーツ (Boots) を発見。そしてその向かいには「黄色い電話ボックス」が(写真下⬇︎)。
この街、電話ボックスが多いな。それにしても、黄色い電話ボックスって珍しいよなあ、と近づいてみると。。。
なんと「AED (自動体外式除細動器)」設置所だった。
ここ、英国では「温泉地」ということの他に、「学生街」というもう1つの顔も持つ。学術・研究で定評のあるバース大学 (University of Bath) があるからね。ちなみにバース大学薬学部は長年、英国内でトップクラスかつ人気校の1つ。
だから「黄色い電話ボックス」は、若者たちへの AED 啓蒙としても、すごく分かりやすい標識だと思う。街中に突如立っているこの鮮やかな黄色のボックス、一度見たら、ホント、絶対に忘れられないインパクトがあるよ。
でも、一体どうやってアクセスするの? 本当に、一般の人でも使用できるのかな? と、恐る恐るドアノブに手をかけると。。。
ドアは施鍵されておらず、容易に開きました。そして、内部(写真下⬇︎)を覗いてみると、
救急車を呼ぶ「999」をダイヤルすることにより、こちらの「AED (自動体外式除細動器)」が保管されている施鍵庫をこじ開けることができる暗証番号が知らされるシステムとなっていることが分かった。よくできているシステムだねえ。犯罪の多い英国では、大半の公衆電話が窃盗目的で壊され、故障しているのが現実だし。
ちなみに英国で、救急車の番号は「999」の他に「112」もある。112 はEU加盟国内での共通番号。なので、今年末までの有効となるはずだけど、112 は特に、EU 加盟国内での各言語に精通する者が対応している。私が勤務する英国国営医療サービス (NHS) では、どの医療機関でも入職・転職直後のオリエンテーションプログラムの一環で必ず「人命救助法」を受講させられる。これ、その時に、必ず教わる知識の1つ。
引き続き、街の目抜き通りをてくてく歩いていると「ホランド&バレット (Holland & Barett) 」が。
「ホランド&バレット」とは、英国の大手健康食品・サプリメント・自然由来の治癒促進製品販売店。
英国では、この1−2年で、街の薬局もしくはこのようなサプリメント・自然由来の治癒促進商品販売店で購入できるものは、今後、国営医療 (NHS) からは処方しない、という決まりになった。だから、ビタミン剤などは、皆、こういった店で購入するのが一般化しつつある。
「CBD = カンナビジオール」の宣伝もあった(写真下⬇︎)。CBD、英国では数年前から発売されているけど、その一般使用についてはかなり議論されている。私が勤務する病院では、英国保健省のガイダンスの元、薬歴聴取の際に、患者さんの中で「常用している」方がいらっしゃった場合は、その人数の統計だけ取っている。
それから、街の中心部にまで来て、薬局が軒を連ねる一本の通りを発見。
まずは、もう一軒目のブーツ薬局(写真下⬇︎)。至近距離に2軒あるんだな。ショーウィンドーには英国の薬局の秋・冬の風物詩とも言える「インフルエンザワクチン」の広告が大きく掲げられていた。
そしてなんと、このブーツ薬局を一軒隔てた隣には「スーパードラッグ」(写真下⬇︎)も
ブーツ薬局とスーパードラッグは、英国の2大ドラッグストアと言えます。これらの紹介は、以前のこちら(⬇︎)のエントリもどうぞ
上の写真だと分かりづらいのですが、こちらのスーパードラッグの店頭にも「薬剤師によるインフルエンザワクチン接種サービス」の宣伝があった(写真下⬇︎)
英国の医療は、医師以外にもできる業務は、他の医療従事者に「どんどん任せる」という考え。だから、インフルエンザワクチンも民営の薬局の薬剤師が接種し、その料金を国に請求するという形になっている。
インフルエンザワクチンは、英語で一般的に「フル・ジャブ (flu jab) 」という。「フル=インフルエンザ (influenza)」の略語で、「ジャブ (jab) =注射」の俗語を組み合わせたもの。英国で働き始めた頃、周りの誰もが当たり前に使っているのに、私には分からなかった用語の1つ。
ちなみに、上記の「ホランド&バレット」「ブーツ薬局」「スーパードラッグ」は、国内のほぼ全ての街に存在する、英国を代表するヘルスケア会社店舗と言っていい。
そして、この通りの最後の薬局が、こちら「ライフスタイルファーマシー」(写真下⬇︎)。面白い名前の薬局だねえ。
こちら、ショーウィンドウ一面が、私も大絶賛の「エキネシア (Echinacea) 製品」だったので、自然由来の治癒製品に特化した薬局と思いきや;
私が如何に「エキネシア」を頻用しているかは、以前のこちらのエントリ(⬇︎)もどうぞ
電子処方せんも受け付けている、れっきとした薬局でした。英国南西部を中心に展開する中小薬局チェーンだそう。
目下、英国では、新型コロナウイルス (COVID-19) の感染防止のため、ほぼ全ての薬局で、一度に入店できるお客さん・患者さんの人数が制限されている(写真下⬇︎)。
だから、今回の「薬局巡り」、全て店内には入らなかった。
英国の各薬局の入場制限については、先日のこちらのエントリ(⬇︎)もどうぞ
で、バースの中心街の薬局、これで全部見尽くしたかなーと思ったのだけど、
翌日以降、さらに街を歩く中、目を剥くほど面白い薬局やら病院も見つけた。
という訳で、それらの紹介は、次回へ続く。
では、また。