日英薬剤師日記

イギリスの国営医療(NHS)病院で働く、臨床薬剤師のあれこれ

英国国営医療サービス (NHS)

新型コロナウイルス (COVID-19) 感染記録(上)

前回のエントリ(⬇︎)で、言及しましたが; 去年の年末から、新型コロナウイルス (COVID-19) に感染し、完全にダウンしていた。 その最中、この人類未曾有の疫病の個人体験記録を、何らかの形で書き残しておくべきだと思い、毎日病床で、できる範囲でメモし…

緊急手術を受けた。そして、入院患者になった(8)退院後のフォローアップ

今回のエントリは、シリーズ化で、前回はこちら(⬇︎)になっています。 退院した翌日から、創傷のケアのため、勤務病院内の外科アセスメント室に、毎日通うことになった。 私の手術は、うなじ周辺に鍵穴のような形の切り込みを入れ、嚢胞を引っ張り出すよう…

緊急手術を受けた。そして、入院患者になった(7)担当看護師変更願い編

今回のエントリは、シリーズ化で、前回はこちら(⬇︎)になっています。 朝食が終わると、上司のドナさん(写真下⬇︎)がお見舞いに来てくれた。というか、偶然にもその日、私が入院した「特別需要病棟」の担当薬剤師になったとのこと。その後は「集中治療室」…

緊急手術を受けた。そして、入院患者になった(3)外科手術アセスメント室編

今回のエントリは、シリーズ化で、前回はこちら(⬇︎)になっています。 緊急医療室での診察を終え、午前2時頃、自宅へ戻り、スコーンを頬張り、就寝。 午前8時過ぎ、家庭医(=かかりつけ医)からの電話で起こされた。昨日電子送信した診察願いへの応答で…

緊急手術を受けた。そして、入院患者になった(1)発覚編

本当に、本当に、突然だったのですが; 一週間ほど前、「緊急手術」を受けた。 そして、物心ついてから人生初の、入院生活を送った。 しかも、自身が勤務する病院にて、普段から馴染みの同僚たちに看護されながら。 よく言われていることだけど、普段、医療…

イギリスで免許を変換し、薬剤師になる方法(3)

今回のエントリは、シリーズ化で、前回はこちら(⬇︎)になっています。 6)英国の薬剤師免許変換・取得まで、総額どのぐらいの費用がかかりますか? ずばり「ピンキリ」です。個々の状況や進捗、日本からやってきて行うか、それともすでに英国にある程度の…

新型コロナの収束後、英国の医療現場で起こること(2)アルコール中毒患者の急増

今回のエントリは、シリーズ化となっています。 ここ最近の、私の職場の様子を綴りながら、英国の医療現場の実態や、薬剤に関連することを紹介しています。 前回は、こちら(⬇︎)からどうぞ 英国の急性病院では、元々、アルコール中毒で入院してくる患者さん…

数えきれないほどの人たちから愛を受けた、この数ヶ月の振り返り

色々と思い立って、周りの方々に感謝すべく、このエントリを書こうと考えた。 新型コロナウイルス (COVID-19) のパンデミックが始まって以来、私の職場の病院薬局では、さまざまな善意が舞い込んだ。 これらを、振り返ってみたい。 「新型コロナの収束後、英…

ジョンソン首相の入退院と、英国の医療「業界用語」

ご存知の方も多いかと思いますが; 先日、英国ボリス・ジョンソン現首相が、新型コロナウイルス (COVID-19) の感染により、国営医療 (NHS) 病院へ入院した。一週間で無事退院したが、一時、集中治療室へ移動するほどにまで、容態が悪化した。 ちなみに、ジョ…

休暇から戻ったら、勤務先の病院が激変していた

新型コロナウイルス (COVID-19) の流行に伴い、ほぼ誰とも会わずに自宅で過ごした、2週間の有給休暇が終わった。 その「英国ロックダウン(外出規制)」期間中に私がやったいろいろなことの詳細は、前回のこちらのエントリ(⬇︎)からどうぞ で、先週初めか…

英国国営医療サービス(NHS) スタッフの病気欠勤事情

久しぶりに、ひどい風邪を引いた。 約2年間に渡る任務が終わり、その脱力感からだったのだと思う。 その最後の週は「激務」そのものだったからね。 ハーフターム(Half Term = 英国内の学校の学期中間休み週)と重なり、有給休暇を取っている同僚の多い週…

一般内科病棟ローテーション終了

全ての物事には、必ず、終わりの時がやってくる。 先週末、自身の約2年の長きに渡った「一般内科ローテーション」が終了した。 今はただただ、一つの幕が無事に閉じたことに、安堵の胸を撫で下している。 この病棟、私が現在勤務する大学病院の中で、誰もが…

病院内サービス全稼働週間 (All Systems Go Week)

先々週末のことだったのですが。。。。 すごいことが起きた。 それは、その数日前、私の元へ突然、ポケベル(写真下⬇︎)が鳴ったことから始まった。 普段は滅多に呼び出されない内線番号からだった。 (あれ? これ、副薬局長室からだ。私、何かしでかしたん…

英国でファーマシーテクニシャンの職を得た時の話(9)「もうすぐ受かりますよ」

このエントリは、シリーズ化で、前回の話はこちら(⬇︎)になっています。 英国へ奇跡的に再入国できてからは、立て続けに、就職面接試験へ出向いた。 数ヶ月前からの、失敗につぐ失敗から学んだ経験が蓄積され、この頃になると、応募する職のほぼ全ての病院…

英国でファーマシーテクニシャンの職を得た時の話(3)「初めて面接に呼ばれた」

このエントリは、シリーズ化で、前回の話はこちら(⬇︎)になっています。 2003 年8月初旬、ロンドン市内の国営医療 (NHS) 病院の薬局でファーマシーテクニシャンやアシスタントの求人が出るたびに、応募する日々が続いていた。その時点で、10 通以上の応募…

喜劇王チャップリン幼少期ゆかりの場所を訪ね、英国の医療の昨今について考えた

マニアックな話かもしれませんが、今日は、英国人喜劇王チャーリー・チャップリン(写真下⬇︎)の生誕130年の日です。 ©️Roy Export SAS 通った都立高校の英語の授業で、チャップリンの生涯が描かれた副読本が使われていた。 その教科書、当初は英語の勉強の…

出会って、別れて、また一緒に働く(かもしれない)日まで

あっという間に3月が終わり、4月になりました。 春は、俗に、「別れと出会いの時期」と言われておりますが、私が勤務する病棟でも、今月初頭に、大きな変化がありました。 研修医たちの大異動です。 研修医たちの一つのローテーション最終日には、このよう…

英国国営医療サービス (NHS) のウィンタープレッシャー (Winter Pressures)

あっという間に、1月が終わろうとしています。 特に、この2週間は、忙しかったです。 というのは、私が現在勤務する病院で「病床不足大危機」が起こったから。。。 先週の火曜日、朝、出勤すると、薬局内のコミュニケーションボードに書かれた、この伝達(…

英国永住権(無期限滞在許可証)取得10周年

今日は、私にとって、英国の永住権を得た日から、ちょうど10年目の日だった。 英国に移り住んだ最初の2−3年は学生ビザ、それから、労働許可書ビザで5年、そして永住権ビザを得て、今日でかれこれ10年。 「何でずっと英国にいるの?」とよく、色々な方…

アガサ・クリスティと薬局と毒薬、そしてアフタヌーンティー

今、英国では、クリスマスシーズン真っ只中。 で、最近、ロンドンの中心街にある大学病院前の巨大クリスマスツリー(写真下)を通り過ぎた際、ふと思い出したことがある。 「アガサ・クリスティ」 ミステリーの女王と呼ばれるこの英国人推理小説家、元々の職…

世界エイズデー

今日は、世界エイズデー 私、現職が「感染症専門薬剤師」だから、この分野も、(一応)守備範囲。 という訳で、今日は、英国のエイズ事情と、その医療サービスについて語ってみたい。 ところで私、英国を代表するロックバンド、クイーンの大ファン。 日本の…

英国国営医療サービス (NHS) の薬局に就職する方法・作戦編

今回のエントリは、前回(⬇︎)からの続きとなっています。 『労働許可証 (work permit) ビザ』 日本人が、英国でフルタイムで正規に働くには、英国永住権を保持しているか、英国籍もしくはEU加盟国の国籍の者と結婚している方でない限り、ホームオフィスと呼…

英国国営医療サービス (NHS) の薬局に就職する方法・概論編

私は、今までの職歴を振り返ると、秋から冬にかけて、就職面接試験を受けることが多い。 そして、その場合、なぜか、成功率が高い。 日本で、新卒薬剤師として働いた病院、そして、その後のドラッグストアを皮切りとし(→でも、日本での就職は、どれも、ほぼ…

日英薬剤師が、日本の薬局で買ったもの(2)

この「日英薬剤師が、日本の薬局で買ったもの(2)」は、前回(⬇︎)からの続きです。先日の日本での休暇中に購入したものの紹介と、英国の同等製品との比較です。 (4)感冒予防・うがい薬 家庭医(=かかりつけ医)の予約が取りにくい国、かつ、病院とい…

見知らぬ街の病院を訪れてみた。英国・オックスフォード編

先週末は、「バンクホリデー」だった。祝祭日の少ない英国のカレンダーで、土・日・月曜日が連休となる、「嬉しい週末」。一年のうち、5月の最初と最後の週末、そして8月の最後の週末が、それに相当する。 8月のバンクホリデーは、「夏休みの締めくくり」…

NHS(英国国営医療サービス)創立70周年

前回からの続きを書こうとしていたのだけど。。。 重大なことを、すっかり忘れていた。 今日は、これを書かずにはいられない。 ---------------------------------------------------------------------------------------------------------------- 前触れ…

プレレジ研修(仮免許薬剤師)時代のこと

先週の木曜日は、英国薬剤師免許の筆記試験日だった。 毎年、年に2回、6月末と9月末に行われる。 9月は、6月に不合格だった受験者の再試か、プレレジ研修(詳細は、下記)を何らかの事情で遅く始めた人のための試験日。だから、9割方の英国薬剤師の卵…

緑色のペン

英国の薬剤師が「必ず」持っているもの --- 緑色のペン。 英国の医療機関では、処方せんをチェックしたり、医師への問い合わせ、看護師への申し送りなどに、緑色のペンで書き残すと、「これは薬剤師がチェック / コメントした」と見なされる。起源は定かでは…