日英薬剤師日記

イギリスの国営医療(NHS)病院で働く、臨床薬剤師のあれこれ

2022-01-01から1年間の記事一覧

見知らぬ街の薬局と家庭医院を訪れてみた。英国・湖水地方編

かなり時間が経ってしまったが、先々月、1週間ほど休暇を取った。 今年1月から大学院で履修していた「処方薬剤師免許取得コース」が終了したので。 私が目下、薬の処方ができる薬剤師を目指している過程は、こちら(⬇︎)でシリーズ化しています(→注:かな…

処方薬剤師免許取得への道(10)大学院の授業内容(下)

このエントリはシリーズ化で、前回の話はこちら(⬇︎)になっています。 今年1月から、ロンドン大学キングスカレッジで履修していた「処方薬剤師免許取得コース」の講義内容の紹介と、そこから派生したトピックについて書き綴ります。 講義5:アドヒアラン…

英国ロイヤルバレエ団公演「マイヤリング」を観て。性病とモルヒネと心臓発作

今年1月から大学院で履修していた「処方薬剤師免許取得コース」が一段落ついたので、先日、これ(⬇︎)を観てきた。 英国ロイヤルバレエ団の今秋の演目「マイヤリング (Myerling) 」。 現所属ダンサーたちの中でも抜群のパートナーシップと言われる「スティ…

処方薬剤師免許取得への道(9)大学院の授業内容(上)

このエントリはシリーズ化で、前回の話はこちら(⬇︎)になっています。 2022年1月初旬から、大学院での授業が始まった。毎週火曜日に丸一日を費やして行われ、3月末まで続いた。 通常であれば、大学キャンパス内での教室にて行われるものであったが、新型…

処方薬剤師免許取得への道(8)ラーニング・コントラクト (学習規約書) の作成

このエントリはシリーズ化で、前回の話はこちら(⬇︎)になっています。 「ラーニング・コントラクト (Learning Contract) 」という言葉とコンセプトをご存知でしょうか? これ、英国の薬剤師の間では『常識』的に使われている。 英国の薬剤師は、ずばり、徒…

処方薬剤師免許取得への道(7)大学院コース開始

このエントリはシリーズ化で、前回の話はこちら(⬇︎)になっています。 昨年末、ほぼ一年がかりで準備をしてきた「処方薬剤師免許取得コース」の合格通知が届いた。そしてなんと、そのわずか2−3週間後には、大学院生となることになった。 英国では、クリス…

あの日、あの時、あの場所で。英国薬剤師国家試験を受けた日から10年

前回のエントリから、大分間が空いてしまいました。 私、目下、入学した大学院(=処方薬剤師免許取得コース)の、次から次へと押し寄せる課題提出物の締切りに、あっぷあっぷと溺れかけている(苦笑)。 でも、その話はひとまず置いて、今回は、このことに…

処方薬剤師免許取得への道(6)奨学金獲得と合格通知

このエントリはシリーズ化で、こちら(リンク下⬇︎)からの続きとなっています。 さまざまなことに東奔西走しながら、それを一つ一つ解決していき、もうすぐ願書は完成する、という矢先のことだった。 勤務先病院内の教育訓練部門から、今回、奨学金は1000ポ…

処方薬剤師免許取得への道(5)自分の専門と監督医師を決定

このエントリはシリーズ化で、こちら(リンク下⬇︎)からの続きとなっています。 2021年9月入学の扉が閉ざされたため、失意の中にいたが、4ヶ月後には、2022年1月入学の締切日がやって来る。 それに向けて、私は再び、走り出した。 まずは、上司のドナさん…

処方薬剤師免許取得への道(4)多難続きであった大学院出願手続き

このエントリはシリーズ化で、こちら(リンク下⬇︎)からの続きとなっています。 という訳で、ロンドン大学キングスカレッジを第一志望とし、意気揚々と入学願書を書き始めたのであるが; 結論から言えば、当初計画していた直近の 2021年9月入学は見送る形と…

処方薬剤師免許取得への道(3)大学院選び

このエントリはシリーズ化で、こちら(リンク下⬇︎)からの続きとなっています。 英国で、医師・歯科医師以外の医療従事者でも、薬の処方をすることができる免許を取得するのに必要なコース課程を提供している大学院は、現在、国内に数多くあります。 今回は…

見知らぬ街の病院を訪れてみた。英国コーンウォール編

今月、一週間ほど休暇を取っていました。 私、目下「処方薬剤師免許」の取得を目指し、パートタイムで大学院生をしている。学校からは「集中的なコースだから、履修中は、できるだけ休みは取らないように」と言われているのだけど、これから9ヶ月、ずっと働…

処方薬剤師免許取得への道(2)順番待ち

このエントリはシリーズ化で、前回(リンク⬇︎)からの続きとなっています。 英国の国営医療サービス (NHS) 病院勤務の薬剤師たちは、前回のエントリで説明をした「卒後教育課程の臨床薬学ディプロマ」にしても「処方薬剤師免許」の取得にしても、自己負担金…

処方薬剤師免許取得への道(1)その歴史

英国では、医師や歯科医師以外の医療従事者でも、薬の処方ができます。 看護師、助産婦、理学療法士、放射線技師、検眼士、足治療師、救急隊員、そして薬剤師がそのカテゴリーに該当します。 現時点では、各医療職本来の免許を取得し、最低2年の実務経験を…

ロイヤルバレエ団ダンサーと英国国営医療 (NHS) 薬剤師の類似点

今回のエントリは、前回(リンク⬇︎)からの続きとなっています。 先日「くるみ割り人形」の公演を観て考えた、ロイヤルバレエ団のダンサーたちと、英国薬剤師との類似点について、さらに具体的に紹介していきたいと思います。 1)トップに上り詰めるのは、…

ロイヤルバレエ団と英国国営医療 (NHS) 薬剤師の階級制度

先日、念願だった、英国ロイヤルバレエ団の公演を、劇場で観た。 2021/22年シーズン「くるみ割り人形」の千秋楽だった。 私は、運動神経が(人より並外れて)悪く、よって、ほぼ全てのスポーツに興味を示さない。 でも、バレエには、小さい頃から(どういう…

2022年明けましておめでとうございます

遅ればせながら、2022年明けましておめでとうございます。 いつも「日英薬剤師日記」にアクセス下さり、ありがとうございます。 ある日、突然始めたこのブログも、4回目のお正月を迎えることが出来ました。 英国では、新しい年の始まりより、年末のクリスマ…