日英薬剤師日記

イギリスの国営医療(NHS)病院で働く、臨床薬剤師のあれこれ

British National Formulary (BNF)

処方薬剤師免許取得への道(1)その歴史

英国では、医師や歯科医師以外の医療従事者でも、薬の処方ができます。 看護師、助産婦、理学療法士、放射線技師、検眼士、足治療師、救急隊員、そして薬剤師がそのカテゴリーに該当します。 現時点では、各医療職本来の免許を取得し、最低2年の実務経験を…

20年の軌跡と奇跡

20年前のちょうど今日、英国へやってきた。 スーツケース一つで。 ヒースロー空港に降り立って、地下鉄を乗り継ぎ、住むことになった学生寮へ、未知の将来へのワクワク感を胸に歩いて向かったこと、今でも、昨日のことのように思い出せる。 でも、まさかこん…

英国臨床薬剤師の必読本+α

今からちょうど20年前の2000年5月、英国の留学に反対する母を連れて、ロンドンへ観光に来た。 そして、母に、ロンドン大学薬学校 (The School of Pharmacy, University of London) の校舎でも一緒に見てもらおうと、当日、一本の電話の後に訪れると、教務課…

英国の風邪の時の対処法

今回は、英国での風邪の際の一般的な対処法について書きたいと思います。一応、前回(リンク下⬇︎)からの関連となります。 私は、風邪を引くと、基本、薬をできるだけのまないで治すほうです。服用するとしても解熱・鎮痛剤のパラセタモール(=日本名アセト…

薬局カフェ ('The Apothecary') へ行ってきた in 英国・ライ

先週末、英国は、今年最後の「バンクホリデー」でした。 私は、ここ数年、この8月最終週の3連休を「国内で『普段は行かない・行けない』場所」へ出かけることにしている。 去年8月のバンクホリデーは、ここ(⬇︎)へ行きました。 という訳で、今年は、英国…

夜間・週末当直勤務(其の二)

今回のエントリは、前回からの続きです(⬇︎) なぜ、私が、夜間・週末当直勤務を、ここ数年続けているのかと言えば。。。。 ひとえに「真の学びが得られる」から。 当直勤務は、基本、火の粉のように次々と降りかかる無理難題を、一人で解決するのが原則。 …

見知らぬ街の薬局を訪ねてみた。ロンドン・ヒースロー空港第2ターミナル編

この2週間ほど、日本へ帰国し、休暇を取っていました。 ここ数ヶ月、日本でお会いしたい方々の顔がたくさん浮かんでおりました。でも、何せ、離陸の前日まで、日夜拘束の当直をしており(→この6週間で、3コマの当直勤務をこなした。このあり得ない労働条…

プレレジ研修と仮免許薬剤師たちへの臨床薬学講義

今週は、私が現在勤務する病院の、仮免許(プレレジ研修)薬剤師たちへの「ランチタイム薬学講義」担当週であった。 プレレジ研修とは、英国で薬剤師を目指す者たちが、薬科大学を卒業後、免許試験を受験する前に、1年間行うことが必須とされる実務実習。 …

英国薬剤師免許試験とBNF

先月末、英国薬剤師免許試験の合格発表があった。今回、2318名の仮免許薬剤師が合格し、合格率は79%だったそう。 私の職場の病院薬局の、今年度 (2017/18年) の仮免許薬剤師は4人いた。3人合格した。1人は、諸事情により今回の受験は棄権した。次の9月の…